第３回REALIVEｸﾛｰｽﾞﾄﾞ交流会内の勉強会で東京での改名体験をお話して下さった涼さんに、体験談をＨＰに掲載する為、アンケート形式でご協力頂きました。

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◆申し立てをした日はいつですか？◆

新潟から東京へ行った(引越した)のが１９９９年の１０月３１日。
２４才になったばかりだった。その年、１２月に申し立てした。


◆どこの家庭裁判所でしたか？◆

東京都家庭裁判所。
申請書をもらいその場で記入して、何を持って行けばよいのか、簡単に話を聞いて申請書を提出した。


◆名前はどうやって決めました？◆

子供の頃から前の名前が気にいらなかった。
あまりにかわいい名前過ぎて、自己紹介の時などはほんとにやだった(Ｔ_Ｔ)
小学校の頃にふと俺の名前は『りょう』だと思ったのを覚えてる。
たいしたきっかけなどは無かったかなー。
漢字を決めたのは改名をする前にパソコンで最初に出てきたので決定！
(そんなんで良いのか〜？)
要はインスピレーションとでも言いましょうか。
ピンッと来たわけですよ。(笑)


◆申し立てを決意したキッカケなんかは、何かありますか？◆

キッカケというのは特にないかなー。
新潟を出た時すでに『改名』『ホル注』『手術』すなわち社会で堂々と男として生きていく事を決断していたから、改名はひとつの手段、通過点でしかなかった。
逆に言えば必死だったのかもしれない。
改名をしないと俺は社会で生きていけないんだよー！みたいな気持ちが強かったから、行動力が生まれ、その気持ちが家裁側に伝わったんだろうと、今振り返ると思う。
(もちろん東京で前例もたくさんあり、家裁側のＧＩＤに対しての認知度が高かったという事も大きな要因であると思う。)


◆改名に対して周りの反応は？◆

改名する事を親父に話したら、『涼なんてやつは知らない！そんな事をするなら保証人にならない(アパートで一人暮らしをする為に親父に頼んでいた)』と言われた。
アパートの保証人になってもらえないと困るので『じゃあ改名しません』と言っといた。
俺が新潟から出て東京に行く理由は親に話していた。
『俺はこれから男として社会で生きていきます』と。
やっぱ戸惑いもあっただろうな。そんな時に改名の話をしたもんだから親父はやるせない気持ちだっただろうなー。
でも俺はわがままだからこっそり改名しました(＾_＾;)
なんて悪い子なんでしょーねー。


◆使用証拠集めはどんな方法を？◆

まず、仲間や彼女に手紙を書いてもらった。その数はかなり少なかったねー(>_<)
通称名で献血しに行って献血カードを手に入れたりもした。
(当時の改名をする時に必要な物としてＨＰに書いてあったから）
あとガス、水道代、電気などの明細書。
ＦＴＭの仲間と店をやっていたので給料明細を書いてもらったり。
要は社会で通名(改名したい名前)でも問題なく生活できてますってな事をアピールしていけばいいのではないかなー。


◆提出書類・使用証拠はどんな物でしたか？◆

上の質問と同じ答え。
他にはホル注をしてた病院に７０００円で診断書を書いてもらった。
図書館に行って古い新聞のＧＩＤ関連の記事をコピーしたりもした。


◆申し立ての際、不安だった事は？◆

通名期間(使用期間)が短かった事ぐらいかな。
どこのＧＩＤ関係のＨＰを見ても『通名期間が短いと認められにくい』とか書いてあった。
しかし！短くたって決意は変わらない！不安要素にはあまり左右されない方がいいと思うよ。
不安を持ったままだと、それが伝わってしまうからね。


◆申し立て後の流れはどうでした？◆

申立書を提出した約２、３週間後に(たぶん)通知が来て行った。
話をしたのはほんの１０分程度！(かなり最短だと思う)
『一度名前の変更をしたら、もう一生名前は変えられないですよ。それでもいいですか?』と念を押された。(これ大事！)
(家裁側は)決心の固さを確かめているように思ったねー。
話が終わったら『はいっ。では許可します。書類をお渡ししますので、少々お待ちください。』みたいな感じであっけなく終わった…。


◆晴れて名前を手にした感想は？◆

(許可が下りて)家裁を出て速攻で彼女に電話したね。あと新潟の仲間にも。
やっぱ嬉しかったね。これで俺は堂々と名をなのれる！『俺は○○涼です！』ってね。
戸籍上の名前が変わるだけでも俺達ＧＩＤ(当事者)は一つ苦しみが解放される。気持ちよく、自分らしく生きていけると思う。
地方でもＧＩＤを理由に改名しやすくなるといいな。
でも中途半端な気持ちでは駄目だと思う。簡単だからするのではなく、自分がこれから望みの性で一生生きていくという決意を持って改名をその一つの手段に考えて欲しい。
そういった決意があればきっとうまくいくと思う。


◆許可されてからした事は？◆

改名の許可が下りてからが一番面倒だったかも(＾＾；)
許可書(謄本)を持って最寄の役所に行き住民票の変更をしてもらった。
戸籍謄本が必要だったが、俺は本籍が遠くだったから、その県の役所に電話して郵送してもらったり。(これは時間かかったね)
やっと住民票の変更が終わったとこで、銀行、郵便局の通帳の変更。
そして免許の変更もするのに警察署に行った。免許は性別の記載がないからこれからは堂々と身分証明が出来る！わ〜い！と思ったら何と！裏面に書き込んでるだけじゃねーかよー！
はいっ。やり直し。|(-_-)|
今度は免許センターに行って『無くしました』攻撃！
仲間は正直に免許センターでＧＩＤで改名をした事を言ったらしいが(コイツすげーよ！)俺はそこではエネルギーを温存しました。


◆すべてを通して苦労した点は何ですか？◆

うーん。正直俺はたいして苦労していないように思いますね。
懸命に努力している方が見てたらごめんなさいm(_　_)m
東京だったから楽に出来たと思います。前例を気付き挙げてくれた方々に本当に感謝です。
改名を楽に出来た分、他の事にエネルギーを使い努力し、同じ悩みを持つＧＩＤのみんなが自分らしく生きていける為に何か役にたてればいいなーと思ってます。
その一つとしてまず新潟で頑張っているみんなの力になりたいね。
俺も大好きな新潟に帰りたいからさー。


◆改名後の周りの反応はどうでした？◆

順序は違ったかもしれないが、今親父とは飲みに行けるぐらいの仲になってる。
俺が自分らしく生きていく事ができたから、親父と面と向かって話す事ができたのかもしれない。
年の離れた妹もいるが『なんて呼んでいいかわからない』とも言われる。
『自分が呼びやすい名前でいいんじゃない？俺はお前の【キョウダイ】には変わりないんだから』って言っといた。
家族に認められるというのは一番難しい事かもしれない。
認めてもらえない人、言えない人もたくさん知ってる。
でも今すぐに認められなくてもいいのではないか？
自分が一生懸命頑張っていればきっとわかってもらえる時がくる。
そんな希望を持って、今できる事を頑張っていこうと俺は思う。


◆お忙しい中、最後までありがとうございました。◆

こんな感じでいいんだろうか？
俺のこんな話でも何かみんなの力になれたら光栄だな。