■申し立て■
平成14年11月6日に新潟家庭裁判所へ名の変更申し立てをしました。
申し立ての実情は「永年使用(5年)」「女性名での精神的苦痛・生活困難の為」。
申し立て書や必要提出物(戸籍謄本等)と共に、理由補充書と使用証拠の数点を提出。
使用証拠はコピーを取られた後に返されました。
■連絡・調査
僕の場合、呼び出しの連絡は郵送ではなく、電話でした。
電話を受けた日が11月28日。申し立てから3週間後。
調査の日時を決め、他に「家裁から連絡してもいい人の連絡リスト」の提出を指示されました。
あと、両親だけでなく家族全員の同意書があるといい、と言われたので、家族に頼んでそれぞれ同意書として一筆書いてもらいました。
連絡リストに関しては、平日休みの人がいなかった為、意見書を書いてもらいました。
調査の日は12月4日。電話連絡から1週間後。
指示されていた階へ向かい、待合室で担当して下さる調査官と対面。
それから家事調査室へ通されました。
調査で聞かれた事は大体こんな事です。
○通称名を使い始めた時期、理由、範囲
○性別違和を感じ始めた時期
○性別違和による苦痛・困難
○男性としての生活の開始時期
○カミングアウトに対する周りの反応
○治療に対する考え、決意
○改名の必要性
○戸籍名での生活上の困難
理由補充書に書いてあった事をもっと詳細に話した感じでした。
あとは持参した使用証拠の説明。どんな間柄の人からもらったか、という説明です。
使用証拠は郵便物がほとんどで、他には図書館のカードや診察券等を提出しました。
申し立ての日と同じように、使用証拠はコピーを取られた後に返されました。
すべての話が終わると、調査官から「写真を撮らないか」と言われました。
調査官曰く、僕の外見が男性にしか見えないので、撮った写真を証拠に裁判官に対し「女性名での生活の困難」を説明したいとの事でした。
ポラロイドカメラで2枚撮りました。
(あくまで僕の場合、外見がプラスになっただけです)
また「来年の年賀状集め」という指示を出されました。これは裁判官からの指示で、使用証拠の数が少ないので年賀状を集めて通称名の認知範囲を証明しろとの事でした。
以上で調査は終了。4時間程度掛かりました。
提出した物は、家族の同意書・使用証拠・GID関連の資料・意見書4通です。
調査の日は心配して同行してくれた友人がいたので、友人も調査官と少し話しました。
「友人間ではどう受け止めているのか」等を聞かれたそうです。
翌年、1月17日。家裁から二度目の連絡。またお電話で頂きました。
20日に年賀状を持って家裁へ行き、調査官に年賀状の送り主との間柄を説明。
僕は友人・知人だけでなく、近所の人や親戚、親の知人で僕を知っている人にも頼んで集めたので(40枚程度)、通称名の認知範囲を証明するにはとても良かったそうです。
■結果
それから4日後の1月24日。家裁から結果が郵送されてきました。
結果の郵送は戸籍名宛だと調査官から聞かされていましたが、実際の封筒の宛名は通称名でした。調査官が配慮してくれたそうです。
開けると「許可」と書かれた審判書(謄本)が入っていました。
平成14年11月6日から平成15年1月24日まで。申し立てから結果まで、約2ヶ月半。
念願であった、自分の名前を手に出来ました。
僕の体験談は古い情報なので、お役に立てるかどうかは判りませんが…これから名の変更申し立てをする方々が、自分の望む名前を手に出来るよう、祈っています。
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