名の変更許可の申し立てについて
名の変更許可の申し立てについて

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流れについて


1.申し立て
申立書の提出は家庭裁判所の受付か郵送で行います。
書類や提出物(1ページ目・枠内・太字の物は必須)に不備があると受け付けてもらえませんので、きちんと確認して下さい。
申立ての段階では、使用証拠は持っているすべてではなく、一番古い物・中間頃の物・最近の物を5,6個用意すればいいようです。(コピーを取られ返されます)
1ページ目に書いた必要な物の「その他」の中には受付の時点ではまだ必要無い、と返される物もあると思われます。


2.呼び出し状
申立書提出後、約1ヶ月で家庭裁判所から呼び出し状が郵送されてきますので、指定された日時に遅刻しないよう、呼び出し状を持って家庭裁判所へ行きましょう。
呼び出し状に持参する物が書かれている場合もありますので、忘れないようにして下さい。使用証拠やその他の物はこの時にすべて持って行きます。


3.調査もしくは審問
名の変更申し立てをした場合、新潟で多い流れは

□ 申し立て → 審問 → 審判(決定)

だそうですが、GIDを理由とした場合は申し立てから【審問】ではなく

□ 申し立て → 調査 → 審判(決定)

という流れになる可能性が高いそうです。
調査は調査官が、審問は参与員が、申立人の事情や使用証拠類の聞き取り調査(証拠類は説明後にすべてコピーを取られます)等をノートに記録しながら行われます。
人それぞれですが、大体1時間以上の時間が掛かります。質問にはきちんと丁寧に答えるよう心掛けて下さい。
申立人が裁判官(許可・却下を決定する人)と直接話す可能性は低く、裁判官は調査官か参与員から申立人の事情や調査結果を聞いて決定をします。
調査官もしくは参与員にどれだけ自分の事情を説明出来るか、納得してもらえるかが大切です。ちなみにアドバイス等をして下さる事もあります。
また、何か不足があれば2回目の審問が行われる事もあります。

調査・審問での質問内容の例
・身体の性別に対する違和・不快はいつ頃から感じていたのか。
・どのような精神的苦痛を感じてきたか。
・望む性の服装はいつからしているのか。また範囲はどれくらいか。
・いつ頃、どのように、自分自身を性同一性障害であると認識したか。
・通称名はいつから、何のきっかけで使い始めたのか。また使用範囲は。
・現在の戸籍名で、生活上の不便や苦痛等の困っている事は何か。
・性同一性障害の治療を行っているか、またいつから始めたか。
・治療に対してどのように考えているのか。(今後の事)
・いつから望みの性での生活を始めたか。
・周りの人(親族や友人・知人)はどのように受け止めているか。

質問内容の例はあくまでも例ですので、人によって異なると思いますが、GIDを理由に申し立てる場合、必ずGID関連の質問をされる事になります。
「話すのが辛い」と感じる事もあるかもしれませんが、大切な事なので弱々しくならないよう強い意思を持って伝えて下さい。


4.審判(決定)
結果(審判書)は、調査もしくは審問から1週間〜1ヶ月程度後に郵便で送られて来ます。
(裁判所で直接伝えられる場合もあるようですが、後日謄本が郵送される)

許可の場合
許可と書かれた審判書(謄本となる)が送られて来ます。
戸籍法116条「確定判決によって戸籍の訂正をすべきときは、訴を提起した者は、判決が確定した日から一箇月以内に、判決の謄本を添附して、戸籍の訂正を申請しなければならない」とあるように、1ヶ月以内に変更手続きをしなければいけません。期限に関わらず受け取ったら出来るだけ早く役場へ行き、戸籍の氏名変更手続きをしましょう。
役場で変更手続きをしないと、家庭裁判所で許可されても戸籍名は変わらないままですので気を付けて下さい。その他、旧名になっている通帳や保険証等もすべて自分で変更手続きをしなくてはいけません。
尚、運転免許証の場合、手続きでは新しい氏名が裏書きされるだけですので一緒に紛失届けを出して再発行してもらうと新しい免許証が貰えます。(再発行は有料)

却下の場合
残念ながら却下となった場合、却下と書かれた審判書が、理由も書かれて送られて来ます。
却下されても、もう二度と申立てが出来ない訳ではありません。却下の理由を検討し新たに必要な事・物を整え、時期を見て再申し立てしましょう。
新潟家裁の某調査官曰く、一度却下されたからといって再申立ての際に不利になるという事は無いそうです。ただし記録には残るので、理由も証拠も明らかに不十分な状態での申立てを何度も重ねると、やはり良くないそうです。そして安易な心構えでの申立ては、自分自身のみならず、今後GIDを理由とした名の変更を考えている方々にとっても悪影響を及ぼす可能性があるという事も少し考えて下さい。
また、却下理由が納得いかない、不服であるという場合は高等裁判所へ上告(再審理)する事が可能です。(審判から2週間以内)
尚、新潟の場合は管轄が東京高等裁判所ですので、呼び出しがあればそちらまで行かなくてはいけません。
再申立て・上告の前には、家庭裁判所の家事相談(無料)もしくは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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